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2017年11月09日 09時57分

「野焼き」煙の影響で交通死亡事故、農業男性を書類送検…野外焼却の法的リスク

「野焼き」煙の影響で交通死亡事故、農業男性を書類送検…野外焼却の法的リスク
写真はイメージです(つくし / PIXTA)

郊外を車で走っていると、屋外にドラム缶などを置いて、ゴミを焼く「野焼き」に出くわすことがある。

今年4月、岩手県遠野市でその「野焼き」の煙を避けようとしたとみられる女性の車が、対向車線を走っていた車と正面衝突し、同乗していた女性の娘(2歳)が死亡する事故が発生した。

遠野署は10月18日になって、野焼きをしていた78歳の農業男性を、炎や煙によって交通を妨げたとして書類送検した。男性は道路脇で野焼きをしていたそうで、道路法違反の疑いを持たれている。

野焼きはそもそも法律的に問題ないのだろうか。また、今回のように野焼きが原因とみられる交通事故が起きたとき、どんな責任を問われる可能性があるのだろうか。新保英毅弁護士に聞いた。

●野焼きで「道路法違反」は珍しい…ポイントは男性の職業?

「いわゆる『野焼き』は、農業、林業を営むためにやむを得ない焼却やたき火などのごく一部の例外を除き、廃棄物処理法16条の2で禁止されています」と新保弁護士。

違反した場合は、廃棄物処理法25条1項15号により、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処せられる可能性があるという。

「このほか、野焼きをすると、今回書類送検された道路法違反や、注意を怠って火災を起こした場合は、業務上失火罪(刑法117条の2、116条)の刑事責任を問われる可能性があります。さらに火災により人がケガをしたり、亡くなったりした場合は、業務上過失致死傷罪(刑法211条1項前段)の刑事責任を問われる可能性があります。

また野焼きによって近所の洗濯物に匂いがつくなどした場合、損害賠償の民事上の責任を問われる可能性もあります」

今回のケースはどのように考えられるだろうか。

「野焼きが道路法違反で立件される例は珍しいでしょう。情報が少ないので推測になりますが、書類送検されたのが農業男性とのことなので、野焼き自体は『農業を営むため』のものとして廃棄物処理法違反とならず、道路法違反で立件された可能性があります。

今回の書類送検は、野焼きの煙により道路上の視界を妨げたことが道路法101条の『道路における交通に危険を生じさせた』行為に当たると判断されたのでしょう。

この規定に違反するものとして有罪になれば、3年以下の懲役または100万円以下の罰金となります」

(弁護士ドットコムニュース)

新保 英毅弁護士
2004年弁護士登録。相続・遺産分割事件、中小企業の法務の案件を多く取り扱っている。モットーは「依頼者ひとりひとりに適したオーダーメイドのサービス」。
所在エリア:
  1. 京都
  2. 京都市
  3. 中京区
事務所名:新保法律事務所
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