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後遺障害認定

2016年05月26日

交通事故による後遺障害認定の流れ - 被害者請求や非該当となった際の対処法

交通事故によって後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害認定を受けることで、慰謝料や逸失利益を請求することが可能です。しかし、保険会社に任せきりでは正しい等級認定は期待できず、等級が違えば金額も大きく異なります。後遺症を負ってしまった際に被害者としてできることを知り、泣き寝入りせずにすむよう学びましょう。

目次

  1. 後遺症と後遺障害の違い
  2. 後遺障害認定の重要性
  3. 後遺障害認定の流れと種類
  4. 保険会社による事前認定
  5. 被害者請求による認定
  6. 認定内容に不服なら異議申立て
  7. 非該当となったら

後遺症と後遺障害の違い

「後遺症」と「後遺障害」という言葉の定義を初めに明確にしておきましょう。似たような言葉ですが、後遺障害は後遺症の中でも次のことを満たしていることが必要です。

  • 交通事故によって負った傷害で因果関係があるもの
  • 治療によって症状が回復しない状態に達していること
  • 医学的に説明ができること
  • 労働能力が一部でも失われていること
  • 自賠責施行令の等級に該当すること

定義は難しいのですが、しっかりと治療したのに後遺症が残ってしまった場合に、等級認定を申請して該当すれば、後遺障害となると考えておけばよいでしょう。後遺障害と後遺症では、請求できる金額や難易度が大きく異なります。

後遺障害認定の重要性

後遺障害に認定されると、負傷したことに対する慰謝料にプラスして、後遺障害に対する慰謝料を請求することができます。厳密には後遺障害に認定されずとも、後遺症に対する慰謝料は発生し得るのですが、保険会社は認めない可能性があります。 後遺症慰謝料に関して詳しくは「交通事故による後遺症慰謝料の相場 - 等級別基準別の相場や親族や非該当に対する慰謝料」をご覧ください。 また、慰謝料だけでなく「逸失利益」と呼ばれるものも請求することが可能です。後遺障害は労働能力の喪失を伴うので、今後の収入が減少してしまったり、昇進に悪影響があるかもしれません。その損害を賠償請求できるのです。 逸失利益に関しても、等級認定を受けている必要があります。また、等級に応じて金額が大きく異なるため、正しい等級に認定されることが重要なのです。

後遺障害認定の流れと種類

後遺障害の等級認定を受けるためには、まずは症状の改善が見られなくなり、後遺症が確定するまで治療を続けましょう。後遺障害認定を受けることで慰謝料が請求できるとは言え、後遺症が残らないことが理想です。 また、後遺障害認定は原則書類審査となり、治療の効果が出ている段階での診断書では、後遺症が残るのか定かではなく、正しい等級認定ができなくなってしまうのです。そのため、保険会社ではなく、医師の判断で「症状固定」と言われるまで治療に専念することが大切です。 保険会社から治療費を打ち切られてしまった場合の対処法は「交通事故の治療費打ち切りの対策・対処 - 適切な症状固定に向けて」をご覧ください。 治療の効果が見込めなくなる、いわゆる「症状固定」に達したら、後遺障害の認定手続きに移ります。認定手続きは加害者が加入する自賠責保険に必要書類を提出し、「損害保険料率算出機構」が等級認定を行います。 機構では基本的に書類審査のみが行われ、結果が自賠責保険を通して被害者に通知され、認定結果を知ることとなります。 書類を提出した後の流れは変わりませんが、提出方法には次の2種類があり、それぞれメリット・デメリットを確認しましょう。

  • 保険会社による事前認定
  • 被害者請求による認定

保険会社による事前認定

交通事故で負傷し、通院や入院している場合には、加害者の加入している任意保険会社が治療費の支払いをしてくれていることが多いでしょう。後遺障害の認定手続きでも、被害者が何もしなければ保険会社が手続きを行うこととなります。これを「事前認定」と呼びます。 事前認定のメリットは、被害者が手続きをしないで済むということでしょう。保険会社から後遺障害診断書が送られてくるので、医師に記入してもらい保険会社に提出するだけで済みます。場合によっては、診断書も保険会社と医師との間でやりとりされることもあります。 デメリットは、加害者側である保険会社に手続きを任せてしまうことにあります。保険会社は営利企業であり、できる限り保険金の支払いを少なくしたいため、被害者のために正しい等級認定を目指し、積極的に必要な資料を集めたり、診断書の不備を指摘してくれることはありません。 悪質な場合は、認定の妨げにあるような資料を添付して申請する可能性すらあります。保険会社任せの等級認定は避けたほうがよいでしょう。

被害者請求による認定

後遺障害認定は被害者やその親族が手続きすることも可能です。必要書類が複数あり、それを集める手間がかかるのがデメリットでしょう。必要書類は以下になります。

  • 後遺障害診断書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診断書と診療報酬明細書
  • 支払請求書兼支払指図書
  • 印鑑証明書

手間はかかりますが、被害者自身が提出書類を把握でき、適切な等級に認定されるように必要な資料や書類を準備することもできます。 ただし、被害者請求のメリットを最大限活かすには、後遺障害認定の経験が豊富な弁護士に相談することが必要でしょう。診断書はどのような書いてもらうと良いのか、認定に必要な検査は足りているのか、どのような資料を添付すると有効かなど、被害者だけでは対応が難しいことまでサポートしてもらえるでしょう。 等級認定を受けても、適切な金額の慰謝料や逸失利益を保険会社から受け取れるかは別問題です。最終的に十分な補償を受けるためにも弁護士の力は必要となるでしょう。交通事故によって重症を負った場合は特に、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

示談前に保険金を受け取れる

被害者請求のもう一つのメリットに、保険金の早期受け取りがあります。事前認定の場合は保険会社との示談や裁判によって賠償額が決定するまで、保険金が支払われず、生活に困窮して不利な条件で示談を飲んでしまうことも少なくありません。後遺障害に認定されれば、示談や判決を待たずして、自賠責保険から保険金の支払いを受けることができるのです。 自賠責保険ではあくまで最低限の補償となりますが、腰を据えて示談に臨め、弁護士費用に当てることもできるため、大きなメリットと言えるでしょう。

認定内容に不服なら異議申立て

すでに事前認定により、一度手続きを終えてしまい、認定内容に不満がある場合もあるでしょう。そのような場合には、異議申立てにより再申請を行うことが可能です。 ただし、事前認定も被害者請求も提出する書類が同じであれば、認定内容も同じになります。異議申立によって認定内容を覆すには、なぜその認定となったかを理解し、認定の誤りを証明する医学的な資料を提出する必要があるのです。 正しい等級認定を受けるには、やはり専門家のサポートが必要となるでしょう。

非該当となったら

異議を申し立てても残念ながら非該当となってしまう可能性もあるでしょう。異議申立てに回数の制限はありませんが、症状によっては元より認定が難しい場合もあるのです。 非該当となると、自賠責保険や任意保険に後遺障害慰謝料や逸失利益の請求ができません。とは言え、非該当と言えども後遺症が残っていることには変わりなく、慰謝料がまったく発生しないのも釈然としないでしょう。 示談で保険会社に認めさせるのは難しいですが、裁判では認められる場合もあります。裁判を起こすべきかどうかは、弁護士と相談のうえ判断してください。

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